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連載コラム 漢方豆知識⑥ 五臓の心

五臓の「心」の役割

「心(しん)」は東洋医学における「五臓」の一つで、五行説では火に属する臓です。心は現代医学的な心臓のような、血液を全身に運び届ける働きがありますが、それ以外にも精神神経作用も含むなど、より広い範囲で役割を果たします。

たとえば血脈を主る、神志を主るなどの働きをします。血脈を主るとは、現代医学的な心臓のようなはたらきです。血の循環を促し全身に送り出し、各器官に栄養を与えることでその働きを維持させます。また、血を生み出す働きもあるとされまます。血を送り出すためには心気というエネルギーが必要で、心気が不足(心気虚)すると心の機能が低下し、血の供給不足することで動悸、息切れ、胸痛などが起こります。

神志(しんし)を主るとは、意識を明瞭にする、感情を安定させる、など精神作用全般を統括する働きです。神志は精神、意識、思考、感情、記憶などの精神活動全般を指します。 心の働きが低下すると精神を安定させることができなくなり不安、不眠、健忘などの不調につながります。

このように心は広く各臓腑を統括し、身体、生命活動を主宰する重要な器官です。五臓の中心的地位を占めるので、五臓の首ともいわれます。

心と小腸、他の器官との関係

心と小腸は表裏の関係にある臓腑で、一方の状態は他方に影響します。小腸は胃から運ばれてきた食物を受け止め、そこから人体に必要な栄養を「清」として脾に送り、不要なものは「濁」として大腸へ送る“清濁”の選別をするはたらきがあります。したがって心の不調があるとこの機能も失調し消化不良を起こします。

五臓の相生(火は土を育む)関係から、心は脾の機能を助けます。心が弱ると脾での気血生成が弱まります。逆に心の働きが過剰になると相剋(火は金を溶かす)関係から肺の機能を低下させ、気や水のバランスを乱します。

また、心は舌に開竅するという言葉があります。これは心の状態は舌に現れるという考えで、心の不調があると舌の色が淡白になったり、もつれたりします。舌の状態は心の不調を見分ける目安になります。

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