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鼻炎などの症状に使われる漢方薬、葛根湯加川芎辛夷、荊芥連翹湯、小青竜湯

鼻炎に用いる漢方薬は様々ありますが、鼻炎のタイプによって使い分ける必要があります。
本コラムではそれぞれの特徴をご紹介いたします。


副鼻腔炎等に使用する漢方薬①
葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

葛根湯加川芎辛夷は「葛根湯」に川芎、辛夷の2種類の辛温性生薬が加わった漢方薬です。日本独自で処方が発展し用いられてきた経験方として知られています。

葛根湯が元の処方構成であるため、葛根湯と同じく体力があり脈が浮いているような葛根湯証の方の鼻づまり、蓄膿症、慢性鼻炎に向いています。

鼻づまりの症状には様々な原因が考えられます。体の冷えや鼻に血が滞ることなども原因として挙げられます。川芎には血を補い(補血)めぐりを良くする(活血)はたらきがあります。
また川芎には気剤の性質もあるとされており、気血のめぐりを良くしたり、もともとの葛根湯の性質と合わせ体を温めたりすることでこうした鼻閉や症状を改善すると考えられます。さらに辛温解表・通竅作用をもつ辛夷が加わることで、鼻の奥の閉塞を改善します。辛夷の芳香性は気剤のようにはたらき鼻閉を改善するともいわれています。川芎と辛夷を併せて用いることで排膿作用を発揮するとされており、副鼻腔炎や後鼻漏、慢性鼻炎などにも用いられます。
鼻づまりが原因となり頭痛や頭重などが起きることがありますが、これらの症状に応用されることもあります。

葛根湯加川芎辛夷は以下の9種類の生薬から構成されます。

葛根…発汗作用により表邪を取り除く。
麻黄、桂枝…麻黄と桂枝の組み合わせで発汗解表する。
大棗、生姜…補気作用により脾・胃を補い働きを整える。
芍薬…桂枝とともに営衛調和、陰液を補い過度な発汗を抑える。
甘草…配合生薬を調和する。
川芎…川芎は血をめぐらせ鼻の通りをよくし、辛夷とあわせて排膿する。
辛夷…風寒を去り通竅作用により鼻の通りをよくする。


副鼻腔炎等に使用する漢方薬②
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

同じく副鼻腔炎等の症状に用いられる漢方薬として、荊芥連翹湯があります。荊芥連翹湯は慢性炎症に使われる「温清飲」という処方に柴胡、白芷、桔梗、荊芥、連翹、防風、薄荷、枳実が加わった計17種もの生薬から成る漢方薬です。

荊芥連翹湯は古典「万病回春」に耳病、鼻病、化膿症などに用いる処方とされており、そこに一貫堂・森道伯が黄連、黄柏を加えて解毒証に用いた経験方とされています。

排膿作用、解毒作用のある生薬を多く含んでおり、鼻炎以外にも尋常性ざ瘡(にきび)やその他の化膿性皮膚疾患にも用いられる漢方薬です。

黄連、黄柏、山梔子、黄芩で黄連解毒湯を形成し、清熱や止血作用を発揮する。
当帰、芍薬、地黄、川芎で四物湯を形成し、補血活血し駆お血、充血改善。
薄荷は辛涼解表作用により体表のかゆみをしずめる。
枳実、柴胡の理気作用により気のバランスを整える。 桔梗、連翹は排膿作用を発揮する。桔梗と枳実の組合せで排膿疾患を改善する。
防風、荊芥は解毒作用、解表作用。
白芷も解毒、排膿の働きがあり桔梗、枳実とともに作用する。
甘草は炎症を鎮める。

葛根湯加川芎辛夷と荊芥連翹湯はともに副鼻腔炎に使用できますが、実証タイプでやや粘性の鼻炎の方には葛根湯加川芎辛夷、体力が中等度以下でより膿性の鼻炎の方で、炎症や充血性の皮膚疾患傾向もあるような方は荊芥連翹湯が向いているでしょう。

花粉症_イメージ


水様の鼻炎に向く小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

小青竜湯も鼻炎に用いられます。小青竜湯は体力中等~虚弱の方で水様の薄い痰や鼻水が出るときに使用する方剤です。

肺は水を体外に発散させたり(宣発作用)、下方に水を送る(粛降)役割があり、肺が冷えて機能が落ちると水が停滞し、痰や咳、鼻水などの症状が起きるとされています。小青竜湯はこうした冷えや水の異常から起きる鼻炎に効果を発揮します。

麻黄、桂枝は辛温解表作用により表邪を取り除く。また水をさばき肺の粛降機能を助ける。
半夏は水毒により生じた痰(痰飲)を除去する。
五味子、芍薬は陰液を養い、過度な発汗で津液が傷つくことを抑える。
生姜、細辛は肺を温め、咳を抑える(温肺化飲)。
甘草は補気作用で脾胃を整え、生薬を調和する。

いずれの漢方薬も、患者様の体質や症状の程度などにあわせて使用するものですので、医師や薬剤師等、に相談した上で適切に服用することがよいでしょう。

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