刺激性便秘薬として使われるセンナ、ダイオウほか
便秘薬には様々なタイプがありますが、刺激性の便秘薬として知られているセンナやダイオウを中心に、その他の成分もふまえご紹介します。
センナの効き目の正体はセンノシドと呼ばれる成分です。腸内に到達したセンノシドは腸内細菌のはたらきによって活性化され、腸を刺激し動かす(ぜん動運動)ことにより便秘を改善します。とくに腸の働きが低下した方、弛緩性便秘と呼ばれる症状に効果を発揮します。
センナと同じくセンノシドを主成分とする生薬に、ダイオウ(大黄)があります。ダイオウはタデ科の多年草、大形草本ダイオウ属植物の根茎を基原とする生薬で、日本薬局方にも収載されています。ダイオウもセンナと同様に瀉下作用(下剤のはたらき)をもつことで知られております。
漢方薬としては、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などの承気湯類、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)、ほか多数の 構成生薬として用いられ、便秘の改善に加え、健胃作用、駆瘀血作用など処方に応じた効能を発揮するのが特徴です。防風通聖散の 構成生薬としては、便通を改善し体内の熱を取り除く目的で配合されています。
ただし、便秘の治療には自分に症状に合った便秘薬を使用することが重要です。合わないものを使い続けると症状が悪化する可能性もありますので、医師、薬剤師等によくご相談して薬を選ぶことがよいでしょう。
センナ
センナは古くから西洋医学で下剤として用いられている生薬で、日本では局方にも収載されており、主にインドなどで産出されたセンナの葉や果実が医薬品として使われます。またセンナの茎は食品として使われることもあります(以下医薬品としてのセンナを説明します)。センナは、決まった漢方薬の構成生薬としては使用されていませんが、便秘や便秘による諸症状の改善薬として生薬製剤などで広く使われています。センナの効き目の正体はセンノシドと呼ばれる成分です。腸内に到達したセンノシドは腸内細菌のはたらきによって活性化され、腸を刺激し動かす(ぜん動運動)ことにより便秘を改善します。とくに腸の働きが低下した方、弛緩性便秘と呼ばれる症状に効果を発揮します。
センナと同じくセンノシドを主成分とする生薬に、ダイオウ(大黄)があります。ダイオウはタデ科の多年草、大形草本ダイオウ属植物の根茎を基原とする生薬で、日本薬局方にも収載されています。ダイオウもセンナと同様に瀉下作用(下剤のはたらき)をもつことで知られております。
ダイオウ
ダイオウは約2000年前の本草の古典、神農本草経にもその記述が残されています。そこには、大黄に駆瘀血(くおけつ)の効能があることや、健胃作用などがあることが記されています。その他、漢方医学では解毒、抗炎症、利水、瀉火作用(熱を鎮める)など様々なはたらきを期待して処方に用いられています。漢方薬としては、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)などの承気湯類、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)、ほか多数の 構成生薬として用いられ、便秘の改善に加え、健胃作用、駆瘀血作用など処方に応じた効能を発揮するのが特徴です。防風通聖散の 構成生薬としては、便通を改善し体内の熱を取り除く目的で配合されています。
ビサコジル
刺激性の便秘薬としてはビサコジルという成分も知られています。ビサコジルもセンノシドのように腸内を刺激することでぜん動運動を促進し、また腸内からの水分吸収を抑えお通じを良くすることが特徴です。酸化マグネシウム
一方、便秘薬には酸化マグネシウムや薬用のアロエエキスのように、腸内の水分を増加させる効能を持つ便秘薬も市販されています。これらは便が固まって出にくくなっているタイプの便秘の方に向いているでしょう。まとめ
市販の便秘薬では、上記の成分を単体で用いたり、複数を組み合わせたものなど様々で、それぞれの便秘の状態にあわせて選ぶことができます。ダイオウと痛みや炎症を緩和するカンゾウを組み合わせた「大黄甘草湯」をベースにした便秘薬もあれば、センナ単体の便秘薬、センナとダイオウと組み合わせてしっかり便を押し出す刺激性タイプの便秘薬、酸化マグネシウムなど便をやわらげる成分を中心とした便秘薬など様々です。慢性的なしつこい便秘でしたら刺激性の便秘薬が向いているでしょう。また、錠剤タイプの便秘薬は症状に合わせて粒数を変えて調整することができるので、利便性が高いでしょう。ただし、便秘の治療には自分に症状に合った便秘薬を使用することが重要です。合わないものを使い続けると症状が悪化する可能性もありますので、医師、薬剤師等によくご相談して薬を選ぶことがよいでしょう。