1. HOME
  2. お知らせ
  3. めまい、耳鳴り、立ちくらみなどに使用する漢方薬 苓桂朮甘湯、当帰芍薬散ほか

NEWS

お知らせ

めまい、耳鳴り、立ちくらみなどに使用する漢方薬 苓桂朮甘湯、当帰芍薬散ほか

私たちの体は漢方的に気・血・水のバランスが整っていることで健康な状態が保たれています。その中でも水や血のバランスが崩れると、めまいや耳鳴りの原因となることがあります。
今回はめまいや耳鳴りに用いられる漢方薬の一部をご紹介します。


めまい、耳鳴り、立ちくらみに苓桂朮甘湯

苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)は水の異常により引き起こされる様々な症状を改善する漢方薬で、めまいや耳鳴り、立ちくらみといった症状にも用いられます。

苓桂朮甘湯は張仲景という人物が著した古典に記載されており、そのうち金匱要略には「心下に痰飲有り、胸脇支満、目眩するは、苓桂朮甘湯之を主る。」と記述があります。
体の一部に水が停滞し(痰飲)、季肋部から腹部に圧痛があり、めまいがある者は苓桂朮甘湯が主治するという意味になります。この苓桂朮甘湯が適応する証の方は脈が触れにくく(沈脈)緊張している(緊脈)状態であることとされています。


脾は胃で受け止めた食物等から必要な水を作り出し、肺へ送る作用(昇清作用)があるとされています。そのため脾や胃の気が弱まり機能が落ちると、痰飲や胃内停水を生じやすくなります。水の回りが悪くなると気も滞り、動悸や神経症などを引き起こすこともあります。 耳の奥には平衡感覚を感知する三半規管があり、リンパ液で満たされています。この液の流れが悪くなると立ちくらみを感じる原因にもなります。

苓桂朮甘湯は脾胃のはたらきを整え余分な水を取り除き、水のめぐりを改善することでめまいや耳鳴り、立ちくらみ、さらには動悸や神経症などにも効果を発揮します。

めまいイメージ

苓桂朮甘湯は4つの生薬から構成されています。

茯苓は利水剤として胃内停水、痰飲を取り除く。鎮静作用により動悸などの改善もする。
桂皮は気の流れを整え、また桂皮の温性は痰飲を取り除く。
白朮は脾胃を整え、水の代謝を良くする。
甘草は補気作用により気虚を改善。

苓桂朮甘湯を同じく水の異常に用いる五苓散(ごれいさん)と比較すると、苓桂朮甘湯は気の上衝を主とし、五苓散は胃内停水を主とします。症状だとめまいや立ちくらみが強い場合は苓桂朮甘湯、めまいのほかに口渇や尿量減少、嘔吐などの水の異常による症状全般がみられるときは五苓散がより適しているでしょう。


冷え、貧血傾向のある方のめまいに当帰芍薬散

めまいには水だけでなく血の異常が原因で発症する場合もあります。3大婦人薬のひとつとして知られる当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は血の症状を改善することで、めまい、立ちくらみ、耳鳴りなどの症状にも適応します。


貧血傾向のある方(血虚タイプの方)は水滞(心下に水が停滞する)にもつながる場合があり、冷えや下腹部痛、むくみ、めまいなどを引き起こします。当帰芍薬散はこのような方のめまいに適しています。これらのケースは女性に多いため、虚証タイプ、血色が悪い、脈が沈んで弱いなどの女性でめまい等の症状がある場合は当帰芍薬散が向いているでしょう。


当帰芍薬散は当帰、芍薬を中心に6種の生薬で構成されます。

当帰は補血作用、行血作用により血虚を改善し、血をめぐらす。
川芎は行血作用で血のめぐりを改善し、気のめぐりも整える。
芍薬は補血作用により、血虚、下腹部痛などを改善。
茯苓は利水作用により胃腸内に溜まった水(胃内停水)を改善する。
白朮は脾を整え、利水作用を発揮する。
沢瀉は白朮とともに水毒を利尿に導く。

めまいに用いる漢方薬はこの他にも様々あり、症状の程度や体質により使用する漢方薬の種類も変わってきますので、医師や薬剤師等によくご相談の上服用することが良いでしょう。

最新記事